「金を買う」といっても 現物(金地金やコイン) 以外に、証券(金融商品)で買う方法があり、こちらは保管や盗難リスクがなく、流動性も高いのが特徴です。
以下では、金を証券で買う方法を体系的に整理します。
1. 金証券の主な種類
(1) 金ETF(上場投資信託)
- 例:国内では「純金上場信託(1540)」などが代表。
- 特徴:
- 株式と同じように証券会社を通じて売買できる。
- 金価格にほぼ連動する。
- 信託報酬(年0.3〜0.5%程度)がかかる。
- 一部ETFは「現物裏付け型(金を実際に保有)」、一部は「先物連動型」。
(2) 金投資信託(ファンド)
- 金ETFを組み入れたり、金鉱株や関連資産と組み合わせた投資信託。
- 特徴:
- 少額から購入可能。
- 投資信託の運用会社が分散投資を行う。
- 信託報酬はETFより高め(0.7〜1.5%程度が多い)。
(3) 金先物取引
- 大阪取引所(TOCOM)で取引される「金先物」。
- 特徴:
- 将来の一定期日に受け渡す契約。
- レバレッジ(証拠金の数倍の取引)が可能。
- 値動きが大きく、ハイリスク・ハイリターン。
- 投機的な短期取引向け。
(4) 金関連株
- 金鉱山会社(バリック・ゴールドなど)や金採掘関連の企業株。
- 特徴:
- 金価格と連動するが、企業業績にも左右される。
- 金価格の動き以上に株価が変動することもある。
(5) 金連動社債・仕組債
- 金価格に応じて償還額や利息が変動する債券。
- 一部銀行・証券会社が販売。
- 構造が複雑な場合が多いので初心者には不向き。
2. メリット・デメリット
メリット
- 保管や盗難の心配がない。
- 株式と同様に証券口座で簡単に売買できる。
- 少額から投資可能(1万円以下で買えるETFもある)。
デメリット
- 現物のように「手元に金を持つ安心感」はない。
- 信託報酬などコストがかかる。
- 市場の取引時間に依存(夜間に価格が動いてもすぐ取引できないことがある)。
3. 税金・課税関係
- **譲渡益(売却益)**は 株式と同じ「申告分離課税」20.315%(国内ETFの場合)。
- NISA口座を利用すれば、一定額までは非課税で投資可能。
- 外国ETFの場合は、為替差益・外国税額控除などが関わることもある。
4. 初めて買うなら
初心者には 「純金ETF(1540など)」を証券口座で買うのが分かりやすくておすすめです。
- 株式と同じ感覚で売買可能。
- 少額から可能。
- NISA口座で非課税投資ができる。
5. 比較まとめ(現物 vs 証券)
項目 | 金現物 | 金ETF/投資信託 |
---|---|---|
保管 | 自分で保管(盗難リスク) | 不要(証券会社に預けるだけ) |
流動性 | 売却に時間がかかる場合あり | 市場で即売買可 |
最低購入額 | 数十万円〜(地金) | 数千円〜(ETF) |
コスト | スプレッド・保管料 | 信託報酬 |
実物所有 | ○(資産を手元に) | ×(証券上の権利のみ) |
✅ まとめると:
- 「保管不要・少額・手軽に金投資したい」→ ETF/投資信託。
- 「値動きで短期売買したい」→ 先物。
- 「金価格にレバレッジをかけたい」→ 先物やCFD。
- 「安全資産を現物で持ちたい」→ 地金やコイン。
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