利益が出た場合
金を「現物」で持つ場合と「証券(ETFや投資信託)」で持つ場合では、利益が出たとき・損が出たときの扱い(税金・損益通算可否)がまったく違うので整理してみます。
1. 金を現物で買った場合(地金・コインなど)
利益が出た場合
- 課税区分:譲渡所得(原則)。
- 短期(5年以内の保有) → 他の所得と合算して 総合課税。
- 長期(5年超保有) → 所得金額を 1/2にできる特例あり(長期譲渡所得)。
- 税率:累進課税(最大55%)
- 例)年収高い人は課税が重くなる。
- 申告不要の場合:
- 売却額が50万円以下/年間の利益が一定以下などの場合は非課税になるケースもある。
損が出た場合
- 損益通算不可
- 他の株や給与などの所得と相殺できない。
- 金現物の損失は「なかったこと」扱い。
2. 金を証券で買った場合(ETF・投資信託)
利益が出た場合
- 課税区分:株式や投資信託と同じ「申告分離課税」
- 税率:一律 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
- NISA口座を使えば、一定額まで非課税で投資できる。
損が出た場合
- 損益通算可能
- 他の株・投資信託の利益と相殺できる。
- さらに損失を3年間繰り越し控除可能(確定申告が必要)。
3. 税金の違いまとめ
項目 | 金現物(地金・コイン) | 金証券(ETF・投資信託) |
---|---|---|
利益の課税 | 譲渡所得(総合課税) ※保有5年超なら1/2特例あり | 申告分離課税(20.315%) |
税率 | 所得に応じて5%〜55% | 一律20.315% |
損益通算 | 不可(損は切り捨て) | 可能(株・投信と合算OK) |
損失繰越 | 不可 | 3年間可能 |
NISA利用 | 不可 | 可能(非課税) |
✅ まとめると
- 現物は「非常時の資産」としての安心感があるが、売却益の税金は重く、損失も活かせない。
- 証券は「投資商品」としての効率性が高く、税制面でも有利。
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