相手企業の経営層がAIやIT知識に疎い場合でも、専門用語を使わずに現状把握と将来像のデータを出してもらうプロセス が必要、ということですね。ここでは、その前提で 多角的・多面的・詳細具体的に整理 します。
1. 基本原則
- 専門用語を避ける
- 「AI」「RPA」「BI」と言わずに、「自動で予測する仕組み」「手作業を減らす仕組み」「数字を見やすくするグラフ」などに置き換える
- 現状と期待する将来像を数字・行動ベースで表現
- KPIや作業量、ミス件数など、目に見える形で提示してもらう
- 視覚化して理解しやすくする
- フロー図、表、簡易グラフを用いて、現状・理想の作業プロセスを一目で分かるようにする
- 段階的に情報を引き出す
- 経営層は全体像だけ、現場担当者は詳細情報というように分ける
2. データ取得・ヒアリングの進め方
A. 現状把握(As-Is)
- 業務のやり方を「行動ベース」で聞く
- 「毎日何をどの順番でしていますか?」
- 「1件の注文にどれくらい時間がかかりますか?」
- 「作業ミスが起こるときはどんなときですか?」
→ 経営層には「この情報で現場の負担や時間が分かります」と説明
- 数字で把握できるデータを依頼
- 「過去12か月の売上や在庫の記録を表でください」
- 「欠品や返品の件数も数字で教えてください」
- 「可能であれば、作業にかかる時間の平均も表にまとめてください」
- 簡易な可視化の例を示す
- 「この表に日付、商品、数量、在庫数を入れてもらうと、欠品の原因や売れ筋がすぐに分かります」
- 経営層に「見本」を見せることで理解度を高める
B. 将来像(To-Be)の把握
- 改善イメージを行動ベースで聞く
- 「理想の毎日の作業はどんな流れですか?」
- 「作業をもっと早く、楽にできるとしたらどこを改善したいですか?」
- 「数字でいうと、欠品率を今の何%に下げたいですか?」
- 具体的な数字・目標をもらう
- 欠品率、作業時間、在庫回転率など
- 経営層には「この数字があれば、導入後にどれくらい改善できたかを簡単に示せます」と説明
- 可視化の例を提示
- 「理想はこんな表や簡単な矢印図で示すとわかりやすいです」と見本を提示
- 「現在→改善後」の比較で理解を助ける
3. 専門用語を使わずに伝える言い換え例
技術用語 | 分かりやすい言い換え |
---|---|
AI | データから未来を予想する仕組み |
RPA | 手作業を自動でやってくれる仕組み |
BI | 数字やデータを見やすいグラフにする仕組み |
クラウド | インターネット上でデータを管理・共有する仕組み |
PoC | 試しに小さくやってみる実験 |
※この言い換えをヒアリング資料や依頼書に使用することで、社長・代表者でも理解しやすくなる
4. 実務的な手順(多角的)
- 事前資料送付
- 専門用語を避けた「現状把握シート」「将来像シート」の見本を添付
- 「このような表に数字やコメントを入れてください」と説明
- ヒアリングワークショップ
- 経営層は数字・目標のみ確認
- 現場担当者は作業手順・作業時間・ミスなどの詳細情報を入力
- データ整理
- Excel/表/簡易グラフにまとめる
- 経営層に「現在の課題と理想像がこうなります」と簡単に提示
- 承認・合意
- 現状・目標を数字・図で示し、経営層に承認してもらう
- これを基にPoCや作業設計を開始
5. ポイント(多面的)
視点 | 効果 |
---|---|
経営層理解 | 専門用語を使わず、数字・矢印図・表で直感的に理解可能 |
作業効率 | 現状と目標が明示されることで、PoC設計やデータ分析が効率化 |
精度 | 現場作業の詳細情報を数字ベースで把握するため、改善効果の予測が正確 |
コミュニケーション | 経営層と現場の両方から情報を引き出し、認識齟齬を防ぐ |
💡 まとめ
- 経営層向けは「数字・行動・矢印図・簡単な表」で説明
- 現場担当者から詳細情報を集める際も、専門用語は避け、作業や数字ベースで説明
- 事前資料・ヒアリング・可視化・承認の4ステップで、現状・理想を明確化
- これにより、PoCや技術組み合わせ作業の効率と精度が飛躍的に向上
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