ITコンサルタントの世界:”ITコンサルタント”になる>相手企業の現状と将来像を明確に把握するプロセス

ITコンサルやDXプロジェクトで PoCや技術組み合わせ作業を効率的に回すために、相手企業の現状と将来像を明確に把握するプロセス を、多角的・多面的・詳細具体的に整理します。


1. 大前提

  • 相手企業が「現状(As-Is)」と「期待する将来像(To-Be)」を明確に理解していないと、
    → こちらがPoCやAI/RPA/BIフローを作っても 目的不明・方向性不一致・非効率 になる
  • そのため、相手企業の現状データや業務・KPI・課題を明示的に収集・整理 する作業が不可欠

2. データ収集の作業ステップ(多角的具体例)

A. 現状把握(As-Is)

  1. 業務フローと作業実態の把握
    • 作業観察(現場ヒアリング・シャドウイング)
    • 現行マニュアル・手順書の収集
    • 既存システム・アプリのログ・データ構造確認
    • 成果物例:業務フロー図、作業時間表、作業担当者リスト
  2. 業務データの取得
    • POSデータ、在庫データ、発注履歴、売上データなど
    • ERP/CRM/販売管理システムの出力データ
    • 過去1~3年の実績データ
    • 成果物例:Excel・CSV形式の時系列データ、BIダッシュボード用データ
  3. KPI・目標値の現状把握
    • 現状の主要KPIを整理(例:欠品率、在庫回転率、注文処理時間)
    • 過去実績との比較
    • 成果物例:KPI現状表・可視化グラフ
  4. 課題・問題点の明文化
    • 現場担当者ヒアリングから課題を抽出
    • 定量(数値)と定性(作業上のストレスなど)両方で整理
    • 成果物例:課題一覧表(優先度・影響度付き)

B. 期待する将来像(To-Be)

  1. 経営層のゴール・目標を明確化
    • KPI改善目標(欠品率何%削減、売上何%増など)
    • 業務効率化目標(作業時間短縮、コスト削減)
    • 成果物例:目標KPI表、To-Beの業務フロー図
  2. 現場視点での改善イメージ
    • 作業負荷軽減、入力ミス削減、意思決定スピード向上など
    • 現場担当者の理想フローや利用希望ツール
    • 成果物例:理想業務フロー図、改善シナリオメモ
  3. 技術導入による効果予測
    • AI・RPA・BI導入後のシナリオを仮定
    • 「欠品率が8%→4%になる」「発注作業が手動10分→自動1分」など定量化
    • 成果物例:シミュレーション表・期待効果グラフ

3. 相手企業からデータを求める作業(具体的)

① データ要求書(Request Form)の作成

  • 現状把握のために必要なデータを明文化
    • 例:POSデータ(過去12か月、SKU別、店舗別)
    • 発注履歴、在庫推移、欠品履歴
    • ERPログ、作業手順書
  • フォーマット指定(CSV/Excel/システムエクスポート形式)で依頼

② ヒアリング・ワークショップ

  • 経営層・部門長・現場担当者を集めて現状とTo-Beを共有
  • ヒアリングシートを用意して質問を統一
    • 「作業上のボトルネックは何か?」
    • 「目標KPIは何か?」
    • 「理想の作業フローはどのようなものか?」

③ データ整理・初期分析

  • 取得データのクレンジング(欠損値・形式の統一)
  • 現状KPI・課題の可視化(Excel/BI)
  • 初期レポートを作成して相手企業に確認
  • ポイント:相手に「現状の正確な把握」を納得してもらう

④ To-Beの確認・承認

  • 可視化した現状データと課題を共有
  • 経営層・現場で期待する将来像を議論・確定
  • 承認済みのTo-Be像を正式文書化
  • 成果物例:As-Is/To-Beマトリクス、業務フロー比較図

4. 効果とメリット(多面的)

視点効果
作業効率現状と目標が明確なのでPoCや技術組み合わせ作業に迷いがない
コミュニケーションデータに基づく議論で相手との認識齟齬を減らす
技術選定現状・目標を踏まえて最適な技術(AI/RPA/BI/クラウド)を選択可能
成果検証KPI改善効果を定量的に測定しやすい
将来拡張To-Be像を基準に新しい技術やフロー追加も容易

💡 まとめ

  1. As-Isの可視化
    • データ収集・業務観察・KPI整理・課題抽出
  2. To-Beの明確化
    • 経営層・現場・技術視点で目標設定・理想フロー設計
  3. 相手企業へのデータ要求作業
    • データ要求書、ヒアリング、ワークショップ、承認プロセス
  4. 作業効率向上
    • 明示された現状と目標を元にPoC・技術組み合わせ作業を効率化

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