ITコンサルタントの世界:”ITコンサルタント”になる>ITコンサルタントの知識の基盤

ITコンサルタントが 戦略系・業務改善系・導入支援系の各フェーズでどういう知識・前提知識を持って仕事をしているか を、多角的に具体的に整理します。


ITコンサルタントの知識の基盤

1. 戦略系フェーズ(経営層向け提案)

必要知識

  1. 経営戦略・ビジネス知識
    • 企業戦略(収益構造・コスト構造・競合分析)
    • KPI(売上・利益・ROI・在庫回転率など)の理解
    • マーケティング・販売戦略の基礎
  2. IT戦略・最新技術
    • クラウド活用(AWS, Azure, GCP)
    • データ分析・AI・IoT・RPAの概念
    • デジタルトランスフォーメーション(DX)の成功事例
  3. プロジェクトマネジメント知識
    • プロジェクトの段階管理(PMBOKなど)
    • リスク評価・ROI試算
  4. 資料作成・プレゼンテーションスキル
    • 経営層に一目で理解できる可視化
    • グラフ・図表・簡潔なストーリーテリング

具体例

  • 「欠品率8%→4%にするにはAI予測とRPA導入でコスト削減が可能」という提案を作るために、
    • 過去POSデータの統計解析の知識
    • ROI計算の知識
    • 経営層向け資料デザインの知識

2. 業務改善系フェーズ(現場観察・分析)

必要知識

  1. 業務フロー・業界知識
    • 小売業なら在庫管理、棚卸、発注ルール
    • 業務課題の典型パターン(属人化、データ散在など)
  2. データ分析
    • Excel、BIツール(Tableau、Power BIなど)
    • SQLや基本統計知識
    • データの可視化方法(ヒートマップ・棒グラフ・折れ線グラフ)
  3. 改善手法
    • 業務プロセス改善(BPR)
    • RPA、AIによる自動化
  4. ヒアリング・コミュニケーション
    • 現場担当者に的確に質問し、課題を抽出
    • 「なぜそうしているか」を深掘りする

具体例

  • 店舗の手動発注フローの問題を見つけるために:
    • 業務フロー図の書き方を知っている
    • データの偏差や欠品パターンを統計的に評価できる
    • 現場担当者にストレスなく質問できるコミュ力

3. 導入支援系フェーズ(システム導入・ベンダー調整)

必要知識

  1. ITシステムの技術知識
    • データベース設計・ETL処理
    • AIモデルの精度評価
    • RPAやクラウドサービスの基本動作
  2. システム開発・テスト知識
    • 単体テスト、結合テスト、UAT(ユーザ受入テスト)の方法
    • 不具合対応フロー
  3. プロジェクトマネジメント
    • スケジュール管理、リソース管理
    • ベンダー調整・契約管理
  4. マニュアル作成・トレーニング
    • 現場スタッフに操作方法を教えるための資料作成能力

具体例

  • AI予測モデル導入のために:
    • POSデータの形式や更新方法を理解している
    • AI予測結果を現場業務フローに落とし込む知識
    • ベンダーに改善指示を出すためのシステム理解

4. 知識の取得方法

  1. 教育・資格
    • PMP(プロジェクトマネジメント)
    • ITIL(ITサービス管理)
    • データ分析・BIツールの社内研修
  2. 実務経験
    • 過去プロジェクトでの成功・失敗事例の蓄積
    • 業務改善やシステム導入経験
  3. 自主学習
    • 新しいクラウドサービスやAI技術の最新情報を常に追う
    • 業界トレンド・競合事例の研究

💡 まとめ

  • ITコンサルタントは単に「技術者」ではなく、
    「経営・業務・IT・データ分析・コミュニケーション」の 複合知識 をベースに仕事を処理している
  • それぞれのフェーズで必要な知識の比重が異なる(戦略系=経営・IT、業務改善系=業務・分析、導入支援系=IT・プロジェクト管理)
  • 経験と最新情報のキャッチアップが成功の鍵

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