ITコンサルタントの 1日をフェーズ別(戦略系・業務改善系・導入支援系)にさらに具体化 し、現場での会話や資料の中身まで細かく再現してみます。
ITコンサルタントの1日(フェーズ別・具体化)
前提
- クライアント:全国小売チェーン(100店舗)
- プロジェクト:在庫管理DX、欠品削減・業務効率化
- コンサルタント経験:中堅(3~5年)
- 常駐型で、クライアント現場・社内オフィス・オンラインを組み合わせ
① 戦略系フェーズ(午前:戦略立案・経営層提案)
8:30 – 戦略会議準備
- 資料:全店舗の欠品率推移グラフ、AI予測モデルの精度比較表
- 内容:
- 「現状の欠品率は平均8%、特定商品で最大15%」
- 「AIモデルを導入すれば、欠品率を5%以下に削減可能」
- 準備作業:グラフの色分け、経営層が一目で理解できる簡潔なスライド作成
9:00 – 経営層向けプレゼン
- 会話例:
- コンサル:「現在の在庫管理では、季節商品の欠品が顕著です。AIによる需要予測モデルを導入することで、欠品率を平均8%→4%に削減可能です。」
- 経営陣:「予測の精度はどのくらいか?」
- コンサル:「過去3年のPOSデータで検証した結果、精度は85%で安定しています。」
- アクション:その場で意思決定をもらい、次のシステム導入フェーズへつなぐ
10:00 – 戦略資料整理
- 会議で出た課題や要望をまとめたメモ作成
- スライド更新(意思決定ポイントを明確化)
- 次回会議までの宿題リストを整理(担当者ごとにタスク割り振り)
② 業務改善系フェーズ(午前後半~昼:現場観察・分析)
11:00 – 店舗現場ヒアリング
- 目的:実務担当者の業務フロー把握、現場課題の抽出
- 会話例:
- 店舗担当:「発注のタイミングがバラバラで、在庫が偏ることがあります」
- コンサル:「なるほど。毎週の発注フローとPOSデータを照合して、自動化可能か検証します」
- アクション:ヒアリング内容を業務フローダイアグラムに反映
12:30 – 昼食
- クライアント担当者とランチ
- 非公式に現場の生の声を収集(改善アイデアのヒントを得る)
13:30 – データ分析・改善案作成
- Excel・BIツールで欠品原因分析
- 資料例:
- 「商品カテゴリー別欠品率グラフ」
- 「曜日別・店舗別の在庫偏差ヒートマップ」
- 「AI予測導入前後のシミュレーション結果」
- 提案内容:
- RPAによる自動発注フロー
- 需要予測AIによる在庫最適化
- 店舗ごとの発注ルール標準化
③ 導入支援系フェーズ(午後:システム導入・ベンダー調整)
15:00 – ベンダー打ち合わせ
- 内容:
- AIモデルの精度調整
- POSデータ連携方法確認
- スケジュール・納期調整
- 会話例:
- ベンダー:「週次データ更新に2日かかります」
- コンサル:「クライアントはリアルタイム更新希望です。ETL処理の改善は可能ですか?」
- ベンダー:「可能です。処理フローを変更します」
- アクション:議事録作成、スケジュール更新、クライアントへ報告
16:30 – テスト・導入準備
- データ移行テスト、AI予測結果確認
- エラー発生時はベンダーと即対応
- 現場担当者に簡単な操作トレーニング資料作成
17:30 – 日次報告
- 今日の成果:
- 欠品分析レポート更新
- 経営層提案資料更新
- ベンダー調整完了
- 明日のタスク:
- システム本番稼働前チェックリスト作成
- 店舗トレーニング資料準備
④ 学習・自己研鑽(夜:21:00~22:00)
- 新しいクラウドサービス・AI事例の調査
- 業界ニュースチェック
- 翌日の戦略提案や資料に反映可能な情報をまとめる
1日のポイント(フェーズ別)
- 戦略系:経営層への説得力、数字と資料の分かりやすさが重要
- 業務改善系:現場ヒアリング・データ分析で課題の可視化
- 導入支援系:ベンダー調整・システムテスト・運用指導で成果を確実に形にする
- 自己研鑽:最新技術や業界情報のキャッチアップが次の提案に直結
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