ミシュランインスペクターの評価の仕組み・方法について、多角的・詳細に整理します。
1. 誰が評価するのか
- インスペクター本人が評価する
- 完全匿名で訪問
- 複数人での共同評価は原則なし
- 上級インスペクターや本部のレビューチームが、必要に応じて報告内容のレビュー・指導を行う
- 外部の第三者や読者、ジャーナリストは評価に関与しない
2. 評価の基本方法
- 匿名訪問
- 予約も匿名で行う
- 支払いも個人で実費立替 → 後で会社が補填
- 身分は明かさず、通常の客として入店
- 料理の評価
- 味覚・香り・食感・温度・見た目・盛り付けを総合
- 皿単位ではなく「料理全体の統一感・完成度」を重視
- 季節感・食材の鮮度・調理技術も評価対象
- サービスの評価
- 接客態度・知識・タイミング・雰囲気
- 高級店ではサービスの統一性やプロフェッショナリズムも重視
- 価格の評価
- コスパや価格の妥当性は、味や品質とのバランスで考慮
- ただし、価格そのものが評価点の中心ではない
- 総合判断
- ★★★~★1の格付けやビブグルマンを最終決定
- 複数回来店して安定性・再現性を確認することも多い
3. 評価のプロセス(フロー)
- 候補店リストから選定
- 本部のガイドラインに沿ってインスペクターが対象店を抽出
- 匿名訪問・食事体験
- 予約も支払いも個人で実施
- 評価シートの記入
- 味覚・香り・食感・盛り付け・サービス・価格などを細かく記録
- 文章で感想や改善点も記録
- 社内レビュー
- 報告書は本部でチェック
- 不明確な点や評価にブレがある場合は追加訪問や意見交換
- 格付け最終決定
- 社内の評価基準に照らし合わせ、★の数やビブグルマン認定を決定
4. ポイント
- 完全匿名で訪問することが最重要
- 店側に察知されると公平性が損なわれる
- 味覚だけでなく、サービスや雰囲気も評価対象
- 再現性・安定性を重視
- 一度の来店だけで★★★評価はほとんどされない
- 記録は詳細で精密
- 文章での報告は社内でチェックされ、評価の精度を保証
- 評価は個人ではなく、最終的には社内レビューを経て確定
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