ミシュランのインスペクターが採用後に受ける研修・評価訓練と、実際の訪問手順を詳しく整理します。
1. インスペクター研修・訓練
項目 | 内容・詳細 |
---|---|
評価基準の学習 | 味覚、調理技術、盛り付け、独創性、一貫性、コスパなど、ミシュラン独自の評価基準を徹底的に学ぶ |
匿名訪問の手法 | – 普通の客として来店 – 店員に正体を悟られずに注文 – 支払いも自腹や現金払いなどで匿名性を維持 |
記録の取り方 | – 味、盛り付け、食材の質、温度、独自性などを詳細にメモ – 数値化ではなく、質的に評価する方法を訓練 |
ジャンル別訓練 | 和食、フレンチ、イタリアン、中華など、幅広いジャンルを公平に評価する能力を養う |
評価会議参加訓練 | – 複数のインスペクターと議論 – 星の授与・維持・降格を決定するための客観的議論方法 |
再訪確認の手法 | – 料理の一貫性を確認するための再訪時のチェック方法 – 同じ料理を複数回評価するルール |
2. 実際の訪問手順
- 訪問前準備
- 評価候補店リスト作成(新規店・注目店)
- メニューを事前に調査する場合もあるが、予約や注文内容は通常の客と同じ
- 匿名で来店
- 身元を隠し、普通の客として入店
- 外見や服装で目立たないよう配慮
- 料理の注文
- 標準メニューやシグネチャーメニューを中心に注文
- コースの場合は全体の流れを確認
- 評価と記録
- 味覚、盛り付け、食材の質、温度、調理技術、独創性、一貫性を詳細にメモ
- 写真撮影は通常せず、味覚記憶を重視
- 支払い
- 現金や匿名の方法で支払い
- インスペクターの正体を隠すことが最優先
- 再訪問
- 品質の安定性を確認するために複数回訪問
- 同じ料理が同じクオリティで提供されるかをチェック
- 内部評価会議
- 他のインスペクターと情報共有
- 星の授与・維持・降格を決定
- 評価内容は文書化され、最終ガイドに反映
3. ポイントまとめ
- 匿名性と公平性が最重要
- 味覚・調理技術・独創性・一貫性の評価が中心
- 星の決定は複数回訪問+インスペクター会議で行われる
- サービスや雰囲気は補助的要素で、主評価対象ではない
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