ミシュランのインスペクターがレストランを評価する際の具体的な項目や手順を多角的に詳細解説します。
1. 評価の中心は料理
インスペクターは、レストランの料理そのものを味覚・技術・独創性・一貫性の観点で評価します。
1-1. 味覚・食材
- 味のバランス:塩加減、甘み、酸味、香りの調和
- 素材の質:新鮮さ、季節感、産地
- 調理の正確さ:火入れ、煮込み具合、焼き加減など
- 複雑さと完成度:単純な料理でも完成度が高ければ評価される
1-2. 調理技術
- 包丁の使い方、盛り付け、ソース作り
- 食材の下処理や火入れの正確さ
- 伝統技術と現代技術の両方を見極める
1-3. 独創性・個性
- 料理のアイデア、食材の組み合わせ
- 味の意外性やプレゼンテーション
- オリジナリティが高くても、味が伴わない場合は低評価
1-4. 一貫性
- 同じ料理を複数回注文しても同じクオリティか
- 日や時間帯で味が変わらないか
2. 評価の手順
- 候補店のリストアップ
- 新規店や注目店、地域の名店を調査
- 匿名訪問
- 普通の客として予約・入店
- 料理は通常のメニューを注文
- チェックと記録
- 味覚、食材、盛り付け、温度、調理法、独創性、量などを詳細に記録
- 複数回訪問
- 1回の訪問だけで評価せず、安定性を確認
- 評価会議
- インスペクター同士で議論
- 星の授与、維持、降格を決定
- 発表
- 書籍やウェブで公表
3. 星の判断基準
- 3つ星: 「そのために旅行する価値がある」最高評価
- 2つ星: 「遠回りしてでも行く価値がある」
- 1つ星: 「その分野で特に美味しい料理」
- ビブグルマン: 「コスパが良く高品質」
※星の数だけでなく、総合的な印象が最終判断に反映されます。
4. 注意点
- サービスや雰囲気は評価対象外だが、コメントでは触れられる
- 評価は完全匿名かつプロ目線
- 星を維持するには常に高品質を保つ必要がある
コメント