食中毒:原因や症状:原因別に食中毒の概要と対策

食中毒は、原因や症状によって種類がさまざまですが、家庭や外食での予防は基本的な管理でかなり防げます。ここでは原因別に食中毒の概要と対策を詳しくまとめます。


食中毒の原因と対策

1. 細菌性食中毒

細菌が食品中で増殖したり、毒素を作ることで起こる食中毒です。

主な原因菌

菌の種類特徴・感染経路主な食品潜伏期間症状対策
サルモネラ腸内感染型生卵、生肉、鶏肉、乳製品6~72時間下痢、発熱、腹痛、吐き気生肉・卵は加熱。手洗い徹底。冷蔵保存。
カンピロバクター鶏肉に多い生・加熱不十分な鶏肉、井戸水2~5日下痢、腹痛、発熱鶏肉は中心部まで十分加熱。まな板・包丁の使い分け。
腸炎ビブリオ海水に生息生魚介類、刺身、寿司1~2日下痢、腹痛、発熱魚介類は新鮮なものを選び、冷蔵保存。加熱。
黄色ブドウ球菌毒素型調理後放置の弁当、惣菜30分~6時間嘔吐、腹痛、下痢調理後は早く冷蔵。手指・調理器具の衛生。
ウェルシュ菌菌が増えて毒素を作るカレー、煮込み料理、温め直し食品8~24時間下痢、腹痛調理後は急速冷却、再加熱は十分に。

2. ウイルス性食中毒

ウイルスが口から体内に入り、腸に作用して起こる食中毒。

主な原因ウイルス

ウイルス感染経路潜伏期間症状対策
ノロウイルス二枚貝(牡蠣)、生魚介、感染者からの接触1~2日嘔吐、下痢、腹痛貝類は加熱、手洗い徹底、調理器具消毒
A型肝炎ウイルス生の貝類や汚染水2~6週間黄疸、発熱、倦怠感生水・生貝類の加熱、ワクチンも有効

3. 化学性食中毒

食品に含まれる自然毒や化学物質が原因。

原因食品症状対策
植物性自然毒(フグ毒・トリカブト)フグ、山菜嘔吐、麻痺、呼吸困難専門知識が必要。一般家庭では避ける
農薬残留野菜・果物嘔吐、下痢、頭痛洗浄・加熱。農薬の使用基準を守る
金属中毒(ヒ素、鉛など)古い調理器具、汚染食品嘔吐、腹痛、神経症状調理器具は清潔・安全なものを使用

4. 寄生虫による食中毒

生魚や生肉に寄生虫がいる場合があります。

主な例

寄生虫食品症状対策
アニサキスサバ、イカ、アジなど生魚激しい腹痛、嘔吐魚は中心温度60℃以上で加熱、冷凍(-20℃で24時間以上)

5. 食中毒予防の基本ポイント

食品の選び方

  • 生肉・生魚は新鮮なものを選ぶ
  • 消費期限・賞味期限を確認

衛生管理

  • 手洗い徹底(調理前・トイレ後)
  • まな板や包丁は生肉用と野菜用を分ける
  • 調理器具は熱湯やアルコールで消毒

保存方法

  • 冷蔵庫は0~5℃、冷凍庫は-18℃以下
  • 調理後は2時間以内に冷却・保存
  • 温め直すときは中心部まで十分加熱

加熱・調理

  • 肉・魚は中心部まで十分加熱
  • 弁当や惣菜は調理後すぐ冷蔵
  • 加熱料理の保温は長時間避ける

💡 まとめ

  • 細菌・ウイルス・化学物質・寄生虫など、食中毒の原因は多岐にわたる
  • **基本は「清潔」「加熱」「保存」「手洗い」**でほとんど防げる
  • 特に生ものの魚介類や肉、長時間放置した調理済み食品が危険

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